炭酸浴で疲労を回復。高血圧や心臓病にも効果アリ

炭酸水で入浴というと、あまり馴染みがないように感じますが、ヨーロッパでは炭酸泉という自然の温泉は各地で湧いていますし、日本国内でもいくつかあり、昔から健康に良い温泉として親しまれてきました。

また、人工炭酸水が作れるようになってからは、スーパー銭湯やスパリゾートなどの施設でも人工炭酸泉を用意しているところも増えています。そして、炭酸泉・炭酸浴の健康に対する効能も、医学的に解明されています。

その一つが、血行を促進するという効能です。炭酸ガスが皮膚表面から直接皮下に浸透し、毛細血管を開き、血行を促進するのです。この効果は即効性があり、医学の分野でも治療などに利用されています。

炭酸浴によって私たちの体の血行がよくなると、実にさまざまな良いことが起きるのです。

その中の一つに、高血圧や心臓病の改善に効果があります。血管が開いて全身の血液の流れが良くなるため、血管や心臓への負担が軽くなります。炭酸浴では40℃程度で10~15分もつかれば十分です。炭酸ガスが皮膚の深部に浸透するまでの時間が5~10分ですので、10~15分つかるだけで、瞬時に血行促進の効果が得られるのです。

とくに、心臓病の人は長くお湯につかって水圧をかけるのはよくないため、短時間で効果を得られる炭酸浴はおすすめです。血圧が高い人も、炭酸浴を毎日繰り返すことで徐々に血管が開いてゆくため、血圧を下げることができます(血圧の場合は足浴でも十分効果を実感できます)。

ではなぜ炭酸ガスが皮下に浸透すると血管が開くのか、そのメカニズムについて順を追って説明しましょう。

  1. 大量の炭酸ガスが炭酸浴により皮下の血管に浸透する
  2. 血管は老廃物である炭酸ガス(二酸化炭素)が増えて、エネルギーを作る為の酸素が少ないと勘違いをする(刺激となる)
  3. その「勘違い」(刺激)によって結果的に「プロスタグランジンE2」等の血管拡張ホルモンが分泌される
  4. 皮下の血管が拡張することで流れる血液量が増える
  5. 血液量が増えることで血行がよくなる

以上のメカニズムで血行がよくなるのです。

炭酸浴で血行がよくなる
 

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